要介護認定の流れ完全ガイド|申請から結果通知まで・軽く判定されないコツを現場経験20年:現役ケアマネ・社会福祉士が解説

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要介護認定の流れを現役ケアマネが完全解説。申請から通知まで約30日、主治医意見書・認定調査・二次判定の仕組み、要支援1〜要介護5の早見表、本人が無理して軽く判定されないコツまで。家族が知っておくべき注意点を全部まとめました。


「親に介護保険を使わせたいけど、どこから手をつければいいの?」
「役所の人に『まず認定を取ってください』と言われたけど、何をどうするのか分からない」

介護が必要になったとき、最初の壁が 「要介護認定」 です。

介護保険サービス(デイサービス・ヘルパー・福祉用具など)を使うには、原則としてこの認定を取らないと始まりません。ところが、申請の流れも・調査の受け方も・判定の仕組みも、家族にはほとんど知らされません。

その結果、

  • 本人が調査員の前で頑張ってしまい、実態より軽く判定される
  • 申請のタイミングを逃して 1〜2ヶ月サービスが使えない
  • 認定が出る前にサービスを諦めて自費で組んでしまう

こういう「もったいない損失」が現場で毎月のように発生しています。

社会福祉士・ケアマネジャーとして20年、介護家族の入口相談を受けてきた立場から、この1記事で要介護認定のすべてが分かる完全ガイド をまとめました。これから親の介護が始まる方は、ブックマークしておいてください。


要介護認定とは|まずは制度の全体像

要介護認定は、「この人にどのくらいの介護が必要か」を全国一律の基準で公平に判定する仕組み です。市町村が主体になって行いますが、判定基準は厚生労働省が決めているため、どの市町村でも同じ基準で評価されます。

認定の区分(7段階)

軽い順に並べると次の7段階です。

区分状態の目安支給限度額(月額)
要支援1基本的に自立。家事など一部に支援が必要約50,320円
要支援2立ち上がり・歩行に不安定さあり約105,310円
要介護1部分的な介護が必要(軽度)約167,650円
要介護2軽度の介護が広範囲で必要約197,050円
要介護3中等度の介護が必要・自立困難約270,480円
要介護4重度の介護が必要約309,380円
要介護5最重度・ほぼ全介助約362,170円

※支給限度額は地域加算によって多少前後します。

この区分の中で、「支給限度額の1〜3割が自己負担」 で介護サービスを使えます。たとえば要介護2の方が1割負担なら、月19,705円までの負担で約197,050円分のサービスが組めます。

「非該当(自立)」というケース

申請しても 「非該当」と判定されると介護保険サービスは使えません。ただし、地域包括支援センターの一般介護予防事業など、無料・低額で使える周辺サービスはあるので、非該当でも諦めず相談を続けてください。


申請から認定通知までの流れ|全体マップ

要介護認定は、申請してから結果通知まで 原則30日以内 とされていますが、実際は 1〜2ヶ月かかる ことがほとんどです。流れを先に押さえておきましょう。

① 申請(市役所 or 地域包括)
   ↓
② 主治医意見書の依頼(市役所が病院へ)
   ↓
③ 認定調査(自宅 or 施設で74項目チェック)
   ↓
④ 一次判定(コンピュータによる自動判定)
   ↓
⑤ 二次判定(介護認定審査会で最終判断)
   ↓
⑥ 結果通知(書面で郵送)

それぞれを詳しく見ていきます。


① 申請|どこで・誰が・何を持っていく?

申請先

  • 市役所の介護保険課
  • 多くの市町村で 「地域包括支援センターでも申請代行OK」

地域包括支援センターは校区ごとに設置されている高齢者の総合相談窓口で、申請書の書き方から教えてくれます。最初は地域包括に電話するのがおすすめ です。

申請できる人

  • 本人
  • 家族
  • ケアマネジャー(既についている場合)
  • 地域包括支援センターの職員

本人が病気や認知症で動けない場合、家族や地域包括が代行できます。

必要なもの

  • 介護保険被保険者証(65歳以上は青色のカード型、40〜64歳は加入保険組合の保険証)
  • マイナンバーカード or マイナンバー通知カード
  • 本人の認め印(最近は不要なところも多いですが)
  • 主治医の名前・病院名・診療科(事前に聞いておく)

40〜64歳の方(第2号被保険者)は 特定疾病(16種類) に該当する場合のみ申請できます。代表例:

  • 末期がん
  • 関節リウマチ
  • 初老期の認知症
  • 脳血管疾患
  • 糖尿病性神経障害・腎症など

申請費用

無料 です。


② 主治医意見書|誰がどんな書類を出す?

申請後、市役所が 主治医に直接「意見書」を依頼 します。家族が病院に行く必要はありません。

主治医意見書には、

  • 病名・症状の経過
  • 認知症の有無・程度
  • 日常生活の自立度
  • 医学的に必要な介護の見通し

などが書かれます。

注意点:主治医が決まっていない場合

「親はかかりつけ医がいない」という方は、申請前に どこか1つ受診して主治医を作っておく 必要があります。これがないと意見書が書けず、認定が遅れます。

地域包括支援センターに相談すれば、近隣のクリニックを紹介してもらえます。


③ 認定調査|本人と家族が立ち会う日

主治医意見書の依頼と並行して、認定調査員が自宅(または入院先・施設)にやってきます。事前に日程調整の電話があります。

調査は 74項目 にわたるチェック項目で構成され、約30〜60分かかります。例えば次のようなことを確認されます。

  • 寝返り・起き上がり・歩行ができるか
  • 食事・排泄・入浴の自立度
  • 認知機能(時間・場所の見当識、簡単な計算など)
  • 過去14日間の医療行為(点滴・透析・経管栄養など)
  • 問題行動(暴言・徘徊・不潔行為など)

🔥 ここが最大の落とし穴:「本人が頑張ってしまう問題」

認定調査の現場で 本当によくある失敗 がこれです。

普段は歩けないのに、調査員の前では気合いで歩いてしまう
認知症があるのに「お元気そうですね」に「はい元気です」と即答してしまう
本当はトイレに間に合わないのに「自分で行ってます」と答えてしまう

これをやると 実態より軽く判定 されてしまい、必要なサービスが組めなくなります。

軽く判定されないコツ

家族が必ず立ち会う
本人が答えにくいこと、認知症で正確に答えられないことを、家族が補足する。

「いつもの状態」を伝える
「先週は自力で立てない日が3日ありました」など、調子の悪い日も含めて話す。

メモを用意しておく

  • 過去2週間の困りごと(何ができなかった、何回失敗した)
  • 服薬の管理状況
  • 夜間の様子
  • 家族の介助回数

問題行動も正直に話す
言いにくいかもしれませんが、暴言・徘徊・失禁などは 判定に大きく影響 します。本人が傷つかないよう、別室で家族だけ補足するなど工夫されると良いかと思います。


④ 一次判定|コンピュータによる自動計算

認定調査の結果は全国一律の 判定ソフト に入力され、コンピュータが「要介護何相当か」を自動算出します。

ここではまだ最終結果ではなく、次の二次判定の「下書き」のような扱いです。


⑤ 二次判定|介護認定審査会で最終判断

医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士などで構成される 介護認定審査会 が、

  • 一次判定の結果
  • 主治医意見書
  • 認定調査の特記事項

を総合的に見て、最終的な区分を決定します。

主治医意見書や調査員のメモに 「夜間徘徊あり」「服薬管理困難」 などが書かれていれば、コンピュータ判定より重い区分に上がることもあります。


⑥ 結果通知|書面で郵送される

二次判定が終わると、市役所から 結果通知書 が郵送されます。

書面には以下が記載されます。

  • 認定区分(要支援1〜要介護5、または非該当)
  • 認定有効期間(新規は原則6ヶ月、更新は12〜24ヶ月)
  • 認定日(申請日に遡って有効)

申請日に遡って有効、というポイント

これ、とても大事です。

たとえば 4/1に申請→6/1に通知 だった場合、認定の効力は4/1から スタートしています。つまり、

認定を待っている間にサービスを使っていてもOK(後で介護保険が適用される)

これが次に説明する「暫定ケアプラン」です。


認定を待たずにサービスを使う「暫定ケアプラン」

「認定が出るまで1〜2ヶ月待たないとサービス使えない」と思って自費で組んでしまう家族がとても多いのですが、そんなことはありません

申請してすぐ、ケアマネに「暫定ケアプラン」を作ってもらえば、認定前からサービスを使い始められます

暫定ケアプランの注意点

  • ケアマネが想定する認定区分で組む(要介護2想定など)
  • もし 想定より軽い判定 が出ると、限度額オーバー分は自費になる
  • そのため、家族の状態が安定している場合は数週間待つ という選択もアリ

「絶対にすぐサービスが必要」というときに使う仕組み、と思ってください。


認定が出た後の流れ

認定区分が決まったら、次は ケアプラン作成 に進みます。

  • 要支援1・2 → 地域包括支援センター が担当
  • 要介護1〜5 → 居宅介護支援事業所のケアマネ が担当

ケアマネはこの段階で 「居宅サービス計画作成依頼届出書」 という書類を市役所に出します。これも家族が直接やる必要はなく、ケアマネが代行してくれます。


区分変更・更新の手続き

区分変更(状態が悪化したとき)

要介護認定を取ったあと、入院・転倒・認知症進行などで明らかに状態が悪化した場合、区分変更申請 ができます。

申請から認定までの流れは新規と同じですが、緊急性が高い場合は調査日程を早めてくれることもあります。

更新申請(有効期間が切れる前)

認定には有効期間があります(新規6ヶ月、更新12〜24ヶ月)。期間満了の 60日前から30日前まで に更新申請をする必要があります。

ケアマネがついていれば自動で案内してくれますが、ついていない方は市役所からの通知を絶対に捨てない でください。


こんな勘違い、していませんか?

要介護認定がないと地域包括は使えない
→ 認定なくても無料で相談できます。むしろ申請の代行をしてくれるので、認定前から相談OK。

本人を連れて行かないと申請できない
→ 家族だけで申請OK。本人の同意は必要ですが、代理申請は可能です。

元気そうに見せると損するけど、嘘もダメ
→ 嘘はNGです。「困っている事実」を正直に伝える のが正解。

判定が軽すぎたら諦めるしかない
→ 結果通知から 60日以内なら不服申し立て ができます。または すぐに区分変更申請 も可能。

施設に入所したら認定は要らない
→ 特別養護老人ホーム・老健・有料老人ホームすべて認定が必要です。むしろ施設選びの基準にもなります。


まとめ|「申請のタイミング」と「調査の受け方」で全部決まる

要介護認定は、申請のタイミング認定調査の受け方 で結果が大きく変わる制度です。

✅ 「そろそろ介護が必要かも」と思った時点で 地域包括に1本電話
✅ 申請から1〜2ヶ月かかる前提でスケジュールを組む
✅ 認定調査には 家族が必ず立ち会う
✅ 「いつもの状態」を 正直に伝える
✅ 認定前からサービス使うなら 暫定ケアプラン をケアマネに依頼

要介護認定は1回取れば終わり、ではなく、状態に合わせて何度でも区分変更できます。「困ったらすぐ申請」 を合言葉にしてください。


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むむぶどう / 社会福祉士・ケアマネジャー|福祉の相談屋さん20年

X:@mumubudo
note:https://note.com/mumubudou

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